バングラデシュのアパレル産業 〜経済発展とその代償の事故〜

バングラデシュのアパレル産業 〜経済発展とその代償の事故〜

こんにちは!!

突然ですが皆さん、今あなたが着ている服のタグを見てみてください!

材質綿100%、サイズM、洗濯マークなどなど

あなたの服についてのいろんな情報が書かれていると思います

それでは、原産国の項目はなんと書かれていますか?

多くの方の衣服は中国産だと思いますが、なかには「バングラデシュ産」と書かれている方もいるのではないのでしょうか?

実はバングラデシュは現在、中国に次ぐアパレル大国であるのです!

そして、アパレルとはバングラデシュにとってとても大事な工業であるのです

バングラデシュのアパレル産業がどのくらいすごいのでしょうか?

また,バングラデシュはどうやってアパレル産業を発展させたのでしょうか?

そして,発展させる上でどのようなことが起こったのでしょうか?

今日はそれらを中心にバングラデシュのアパレル産業について考えていきたいと思います

バングラデシュのアパレル産業事情


はじめに、バングラデシュの主な輸出品を見ていきましょう

ニットウェア(46.8%)、

既製品(ニットを除く)(36.2%)、

革製品(3.7%)、

ジュート製品(2.8%)、

冷凍魚介類(2.1%)、

ホーム・テキスタイル(1.9%)

石油製品(0.2%)

(2017年1月外務省より)

これを見ると、衣類が約8割を占めていることがわかります!

次に、衣料品の輸出額の国別ランキングを見てみましょう

1位中国(1270億USD)

2位バングラデシュ(160億USD)

3位インド(110億USD)

4位ベトナム(110億USD)

5位トルコ(100億USD)

(2010年,WTO)

中国がトップであるのは言うまでもありませんが、バングラデシュは3位に50億USDも差をつけて堂々の2位を獲得しています!

このように、アパレル工業というのは、バングラデシュにとっても大事な工業であることがわかります

かつてアジア最貧国とも言われたバングラデシュが、どうしてこんなにもアパレル産業大国になったのでしょうか?

なぜかつての最貧国がアパレル大国になったのか


その理由は主に二つあります

まず一つ目は環境です

元々英国領であったバングラデシュは、昔からニット・織物の縫製をイギリス向けに輸出していました。また、ニットの聖地と呼ばれるナラヤンゴンジ地区では、非常に良質な生地をつくることができます

さらに首都付近のサウスダッカ工業団地ではバングラデシュ最長の橋が建設され物流が改善されたり、その付近に新たな空港の建設を予定されたりと、伸び代もすごい国なのです

二つ目は安い賃金です

衣料品輸出額が第1位の中国やバングラデシュのお隣の国のインドでは、急速な経済発展とともに労働者の賃金や、地価などが上がり、新たに企業が参入しにくい状況にあります

一方で、バングラデシュの人口は1億6000万人であるうえに、中国のように一人っ子政策もとっていないため、労働人口が多いのです

バングラデシュは賃金が安い(バングラデシュでの平均年収は約5万円、夕食が約130円)ため、世界のファストファッションが次々と生産をこの国に移転してきています

有名なのはZARA, H&M, Walmart, GAP, マークス&スペンサー等です。日本からはユニクロや東レが同様に生産を移転しています

低価格で良質な衣類を生産できるすばらしい国!

ところが、バングラデシュでは4年前にこんな事故も起こったのです。

アパレル大国、バングラデシュで起こった事故


2013年4月24日に8階建てのラナプラザ縫製工場ビルが崩壊し、1134人が死亡し、330人が行方不明になりました。当時ラナプラザビルには5つの縫製工場が入っていて、3000人以上が働いていたそうです

このビルが倒壊した最大の理由は「建物の強度」でした。ラナプラザビルは違法な増築を何度も何度も繰り返し、もはや強度を失ってしまいました。そしてある日、上層部にあった4基の大型発電機の振動と、縫製工場の数千台のミシンの振動が一緒になり、崩れ落ちてしまったのです

さらに、この事故をくわしく調査していくと、この他にも労働者たちは、経営者側から不当な扱いを受けていたことがわかりました。肉体的な暴力や性的・精神的虐待を受けていたり、時間外労働を強いられたり、有給での産休取得を拒否されたり…人権のかけらもありません

事故を繰り返さないために


この事故は、世界中のアパレル関係者に大きな影響を与えました

世界的なアパレル・小売業者の多くは行動規範をつくっており、商品の製造元に労働者の権利(団結権と団体交渉権)を保障するよう求めています

また、2013年の7月には米国系の企業を中心に、ALLIANCE(バングラデシュ労働者の安全のための同盟)が結成されました http://www.bangladeshworkersafety.org/who-we-are/membership

こちらにはWalmartやCOSTCOなどが参加しています

さらに、Sustainable Apparel Coalition(衣料品の生産における労働や社会、環境面に気を配り、持続可能な製品を作る同盟)もラナプラザ事故に影響をうけた同盟のひとつです。http://apparelcoalition.org/the-coalition/こちらにはH&MやFAST RETAILING、GAPなどのファストファッションから、adidasやPUMA,Columbiaなどのスポーツ系衣料品メーカーも名を連ねています

特にadidas,H&M,GAPは、Know The Chain社(https://knowthechain.org)による「強制労働を店舗実務の現場から排除しよう」と努めるフットウェアおよびアパレル企業ランキングの上位3位を占めています

私たちができること


身近すぎてふだんあまり意識しない衣服ですが、掘り下げてみると世界のことについて考えるきっかけになりました。

衣服や食べ物を買う時に、先ほどの同盟に加入しているような会社のものを意識して買ってみたり、その製品を作った人に視点を向けてみませんか?

買い物というふだんの小さな行いによって、遠い国の誰かの労働環境がよくなったり、賃金が保証されたりするのです。それってすごいことだと思いませんか?

あなたも普段の買い物の時に、ちょっとした国際協力をしてみましょう!

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